東京モンブラン

ざっくり飲食備忘録です。

パティスリー・レザネフォール/恵比寿

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Les annees folles
恵比寿駅から徒歩5分もないくらいの場所にあるパティスリー。レザネフォールとは、フランスの1920年台を指す言葉らしく、クラシックからモダンに移行していく自由と活気に満ちた繁栄の時代のこと。当店は名前のとおり、「温故知新」「レトロモダン」をテーマに掲げてケーキを作っているそうです。シェフは菊池賢一さん。調べてみると、洋菓子店、ホテル、製菓学校講師、製菓関連企業のアドバイザー業務と、仕事の幅がハンパじゃなかった。受賞暦も多数。これはすごいお店なのでは、、

店内の撮影禁止は特に喚起されているようすはなかったのですが、最近行ったパティスリーのほとんどが撮影禁止だったために店内を撮ることにおそろしいほどの抵抗感が生まれていることを実感しました。なんだか後ろめたさが尋常じゃない。だからこの先、当ブログでは店内写真は登場しないかも。

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買ってきました!

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カルヴァドス

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カルヴァドスとはフランスのノルマンディー地方で造られるりんごの蒸留酒で、その規格はとても厳しく、この地域で造られるものしかカルヴァドスを名乗れない。当然に価格も高く、それをケーキに使ってくるあたりかなり贅沢ですね。しかし残念なことにこのケーキからカルヴァドスの雰囲気があまり感じられず。ムース主体のケーキ本体はおいしく、とくに文句はないのですが、カルヴァドスを名乗るには少々インパクトに欠けるか。僕にとってこのベクトルのケーキのナンバーワンはエムコイデなので、評価が非常に厳しくなってしまう。いや、エムコイデがおいしすぎるだけなのか。


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モンブラン
このモンブランうめえ!! おおこれは僕の好きなモンブラン興奮してきた。

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このモンブランの個性的な要素は2つあります。1つは台座の生地。モンブランの台座といえば、メレンゲやスポンジが主流ですが、当店のものは薄焼きのパートフィロ。これがもうどこまでもPARIッPARI。これはいままでモンブランで感じたことのない圧倒的新食感です。
そして2つ目。どこがほかとちがうかわかりますか?

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マロンクリームが二層になっているんです。宮崎県産の和栗を使っているらしいのですが、外側のクリームが酒がきっちりと効いて口当たりもなめらかなので洋栗のような錯覚をしてしまう。内側のクリームはほくほく感ありで和栗を感じます。モンブランにしては全体的にマロンの要素がすくないですが、それでも生クリームに負けないくらいの栗の主張にびっくりします。

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「めちゃくちゃ管理の行き届いた鮮度抜群の最高級の苔を使用しているんです」
と店員さんは語る。

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ドアップで見ると、細かく粒だったこのうつくしさがよくわかるだろう。毎日5回、厳格に定められた時間に適切な量の水分を与え、温度と湿度を徹底管理された苔。無菌室を使用し、化学肥料は一切使わない圧倒的なまでの有機栽培。苔栽培師の資格は医師免許や弁護士試験の比ではない難関と言われ、合格後も厳しく険しい3年間の試用期間をくぐり抜けないと正式採用されない。あのベルリンフィルでさえ2年の試用期間なのだからその壮絶さは想像に難くはないだろう。その厳しさから死人があとを絶たず、彼らの血肉は隈なく苔の養分に利用されているという噂すらあるという。そんななかで、40年という長きに渡って苔を育て続けてきたA氏はこう語ってくれた。
「我々が苔を育てるのではありません。苔が我々を育んでくれるのです」
こうして育った苔は芳醇な香りを放ち、その存在は苔からKO-KEに昇華する。食べたものはそのあまりの味覚に苔になるという。




言わずもがなですが、もちろんフィクションです。KO-KEなんてばかなものはありません。なんだよ苔が我々を育んでくれるって。


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グリオッドピスタッシュ
表面に施されているものはピスタチオのピストレ。こんな鮮やか緑をしたケーキを見たのははじめてです。なかのピスタチオのムースはきっちりとピスタチオしていて、質感も繊細。真ん中にはグリオッドのジュレ。ここまではいい、抜群です。しかし下のチョコレートの要素がすべてを台無しにしている感がどうしても否めない。チョコの味がピスタチオの味わいを完全にマスキングしてしまっている。これは蛇足と言わざるを得ないでしょう。さらに上に載せられているグリオッドがぎちぎちに酒が染みていて、感覚としては果物を食べているというよりは強い果実酒を含んだような錯覚を覚える。こどもは絶対に食べられない。
こうして食べていると、しきりに思い出されるエムコイデ。もうムースはエムコイデのものしか食べられないかもしらん。こういうのを偏愛というのかもしれない。


ちょっとネガティブな言葉が続いてしまいましたが、当店にはあらためて出直してべつのケーキも食べてみたい。見た目の華やかさや随所にお酒が効いた感じなんかは完全に僕の好みだし、モンブランのおいしさなんかはトップ3に入ってもおかしくないくらい。ほかのパティスリーにはないたのしげな印象を持ったのも事実だし、また再訪するのがたのしみなくらいです。ごちそうさまでした!

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KO-KE